介護施設向け清掃

介護施設における清掃の重要性と留意すべき点とは?詳しく解説!

介護施設向け清掃

介護施設の現場において、ノロウイルスの集団感染やコロナ感染のクラスター発生などのニュースを時々目にします。
入所者の安心安全のためにも、清掃などの環境整備は重要ですが、介護ケアをおこなう人材の不足から、
こうした環境整備を徹底するためのマンパワーがなかなか確保できない実情も叫ばれています。

ここでは、改めて介護施設における清掃の重要性について解説するとともに、施設内の場所ごとの留意点についても説明します。
施設内の清掃などの環境整備に課題をおもちの皆様のご参考になれば幸いです。

介護施設において清掃はなぜ重要か?

介護施設において、日常からの清掃の徹底は、とても重要です。
ここでは、その重要な3つの理由について解説します。

入所者の感染症による重大な健康被害のリスクが高い

介護施設の入所者は、高齢者などの感染症に対する抵抗力が弱い方々になります。
そのため、ひとたび感染症を発症してしまうと、重大な健康被害に見舞われてしまうリスクがあります。
また、集団で生活する場であることから、感染症が発生すると、集団感染となってしまうリスクも高いのです。

そのため、介護施設では、徹底した感染予防対策が求められています。
施設内の清掃を怠ると、不衛生な環境から、たちまち病原体が繁殖して、感染のリスクが高まることになります。
介護施設における清掃の徹底は、感染症の予防対策として、とても重要となります。

汚れやすい環境

介護施設は入所者の生活の場であるため、居室だけでなく、廊下や食堂など施設内のさまざまな場所で過ごします。
そのため、施設内がまんべんなく汚れやすいという特徴があります。
また、トイレや浴室も利用頻度が高く汚れやすいため、湿気とともに細菌やウイルスが繁殖しやすい環境です。

入所者にとっての生活空間である

上述のとおり、介護施設は入所者にとっての「家」であり、人間らしい生活を送るためにも、施設の環境整備はとても重要です。
とくに環境を清潔に保つことは重要であり、入所者が安心安全に生活するためには、日常的な清掃の徹底が欠かせません。

 

介護施設に必要な清掃の頻度とは?


介護施設に置ける清掃頻度は、人の手が頻繁に触れる「高頻度接触表面」と、ほとんど接触しない「低頻度接触表面」にわけて考える必要があります。
それぞれ、必要な清掃頻度の考え方について解説します。

高頻度接触表面

介護施設において、人の手が頻繁に触れる「高頻度接触表面」としては、主に下記の箇所が挙げられます。

  • ドアハンドル
  • ベッドサイドレール
  • ライトのスイッチ
  • トイレのレバーハンドルや手すり
  • 車いすのレバー

これらは、特にこまめに清掃をおこなう必要があります。
1日1回以上を目安に清掃をおこない、汚染状況に応じて、さらに回数を増やします。
目に見える汚れは速やかにふき取り、必要に応じて除菌をおこないます。

低頻度接触表面

人の手があまり触れない「低頻度接触表面」としては、床や壁などが挙げられますが、
特別な汚染がない限りは、1日1回程度の清掃頻度とされています。

 

介護施設の清掃における留意点

介護施設の清掃をおこなうにあたり、場所によりどのような留意点があるかについて解説します。
ここでは、4つの場所にわけて説明していきます。

トイレ・洗面・浴室

水回りはもっとも汚れやすく、湿気がこもりやすい場所ですので、特に丁寧な清掃を行わなければなりません。
床は湿らした布やモップでの清掃を基本とし、基本的には消毒は不要とされていますが、
血液や嘔吐物などが付着した場合には、それが感染源となりますので、注意をしながら消毒するなどの適切な処理が必要となります。

また、ドアノブや取手などの手がよく触れるところも、消毒清掃が必要となります。
浴室についても、入浴での感染を予防するために、こまめな清掃と消毒をおこないましょう。

食堂

食堂は、入所者が食事をとる場所ですので、衛生管理を重点的に行うべき場所の1つです。
食べこぼしなどをうっかり放置してしまうと、こびりつき、乾いて頑固な汚れになってしまいます。
日頃から水で湿らせた布で拭き掃除をおこない、その後は乾拭きをして乾燥させるようにします。
床については、必要に応じて消毒を行います。

居室・病室

入所者が過ごす居室や病室は、むやみに消毒はせずに、目に見えるほこりや汚れを清掃し、居心地のよい環境つくりを心がけましょう。
広い範囲の拭き掃除へのアルコール製材の使用や、室内でのアルコールの噴霧などは避けるべきです。

また、ドアノブや呼び出しボタン、ベッドの柵・オーバーテーブルなど入居者がよく触れる場所の拭き忘れのないよう注意しましょう。

共用スペース

外部の人が出入りする玄関や廊下などの共用スペースも、日常的な清掃が必要です。
外部から持ち込まれる病原菌やウイルス対策として、必要な箇所への消毒などの衛生管理を徹底しましょう。

また、入所者のご家族が面会に来た際に目につく場所でもあるので、環境整備がいき届いていれば、安心してもらえることにも繋がります。